読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

風祭文庫・頂き物の館

風祭文庫の頂き物なども納める書庫です

頂き物・第6話「 悪夢(ナイトメア)」

 その日・・・男子水泳部キャプテンの久保丈治はなぜか部活に出席していなかった。
「なあ、今日は久保先輩休みだって」
 涼介が杏に言う。
「そうなんだ・・・」
 杏は適当に返事を合わせていたが・・・
「(まさかとは思うけど、先輩、気がついているのかな?)」
 
 だが・・・実際は違っていた。
 綺羅はここに来る数時間ほど前、黒魔術研究会によってたくましい男の体になっていた。
 その頃の体操部の一室-
 体育館の中で広げられているレスリングマットの上では、
 レスリングの吊パンを身につけ、股間から猛々しく肉棒を突き上げる厳つい男となった綺羅と、
 水泳部の競泳パンツ姿の丈二が抱き合い、そして硬くくっつきあう二人の股間からは
 ネットリと濡れる白い粘液が滴り落ちていたのであった。
 「丈二…お前はあた、いや俺の女だ、判ったな。さぁ、俺のチンポをしゃぶるんだ」
 「はい(・・・)」
 濃厚な二人の組み合わせの中でも丈二はよからぬことを考えていた。
 

 だが・・・
 バァン!
 硬く閉じられていたレスリング部のドアをこじ開けるようにして開き、
 「久保先輩っ!」
 と声を張り上げ、部室の中で絡み合う男達に向かって声をあげた人物がいた。
 それこそが黒魔術によって男になってしまった美佐だったのだ。当然競パン1枚だ。
 「久保先輩っ、あたしっ、先輩にあこがれて水泳部に入りました。
  お願いですっ!水泳部に戻ってきてください。」
 美佐は丈二の前でこういう。
 「だめっ、行かせないっ、丈二はレスリング部員なんだから」
 と丈二に絡んでいた野上綺羅が押し戻そうとする。
 すると、
 グンッ!
 美佐の競パンが突きあがり、
「先輩…先輩はこんな薄暗い部屋で汗まみれになるより、

 お日様の下で日に焼けた体を晒すほうがお似合いですよ」

と股間を盛り上げながら美佐は丈二に話しかけた。
「あっ」
 その言葉を聞いて丈二の頭の中に、
 競パン一枚で日に焼けた体を晒し水面に向かって飛び込んで行く水泳部員達のことが思い出されると
「そうだ、戻らなくっちゃ」
と呟きながら立ち上がり、美佐の手を握り締めたのであった。
「すまん、野上!俺は水泳部だ!どうしても来たかったらおまえも水泳部に来い!」
 そう言い残し、美佐と丈二は水泳部の部室へと向かった。

 そして-
 水泳部の練習が終わろうとする頃、プールには二人の競パン男が現れた。
 「遅れてごめんなさい!先輩を連れてきたわ!」
 「・・・照山さん!?」杏は驚いてしまった。
 そして、
 「美佐!あなたになんか渡すものですか!あたしも男子スイマーの体にしてもらったわ!」
 そう言ったのは競パンを穿いた元体操部員の綺羅だった。
 「わかった・・・二人ともここじゃだめだ。今夜、体育倉庫まで・・・」
 丈二は二人を押さえた。
 「わかりました」
 そういうと二人はロッカールームへ向かった。
 「なんか変だよなあ・・・」
 杏はうすうす不審な点には気がついた。

 夜更け
 杏は先ほどのことが心配だったのか帰る気になれずそのまま練習を続けていた
 「ふう・・・」
 手を取って休もうとすると一人の人影があった
 「・・・つきあうわよ」
 その人物は水泳部独特のがっしりした体型にブーメランタイプの競パンツを股間に張り付かせていた
 しかし、もっこりは杏のものよりは小さく、かわりに胸にはいくらかの大きさのカップがのっていた-美緒だ。
 「何で美緒が・・・?」
 二人でプールに入る。
 「久保丈二、やはり男子水泳部に残っていたのね。あいつの実年齢はあたし達よりももっと上なのよ」
 美緒は唐突に語る。
 「かつてあたしの兄・川田謙佑は高校時代、あいつのライバルだった。でも、あいつは兄の女装癖をネタに
あいつを追放して、どこかの高校にまで転入させたの。」
 美緒は話を続ける。
 「それだけじゃない。実はあいつは兄をはじめほかの部員をAVに出演させようとしていたの。それを兄が断った上で
兄が警察に話そうとした。でも、それを知って兄を逆に陥れたの。」
 杏の前で美緒は涙を見せていた。
 「それで、警察には言ったの?」
 「ええ。それであいつは捕まったけど、未成年だったしたいした罪にもならずの釈放、そして沼ノ端高校に入り直していた訳よ」
 「まさか、ボクや幸司も狙われていたのかな」
 杏は恐ろしくなった。
 「ええ。あんた達が犠牲にならないうちに早く手を打たないと。」
 美緒は話を続ける
 「じゃあ危ないな!体育倉庫に急がないと!」
 「・・・どういうことなの!?」
 「実は・・・」
 杏は男の体になった綺羅と美佐が丈二を取り合い、その後丈二は二人を体育倉庫に呼び出したことを言った。
 美緒と杏は急いで体育倉庫に向かった。

 その頃
 体育倉庫では3人のたくましいイケメンが絡み合っていた
 「先輩、そんな女より、あたしの方がいいでしょう」
 「何よ、そんな体操部上がりの中途半端な体より、こっちの方が」
 「二人ともやめてくれよ・・・」
 丈二は浮かれながらも倉庫の奥の方を見ていた。その奥の方にはカメラが存在していることを知っていた
 「(もうすぐ、屈強な人たちが来て、二人を・・・)」
 丈二はそう考えていた
 数分後・・・
 赤い覆面と真っ赤なビキニパンツを穿いた屈強な三人の黒人筋肉集団が現れたのだが・・・
 「あなたが用意していた集団ならとっくに倒しちゃったわよ」
 よく見れば一人はかなりの爆乳の女性だ。
 「・・・な、なんだ!?あんた達は・・・」
 『超ムキムキマッチョマン!』
 『マッチョマンレディ!』
 『マッチョマンウィザード!!』
 3人は覆面をとるとポージングをとる。
 マッチョマンレディは爆乳筋肉娘、マッチョマンとマッチョマンウイザードはビキニパンツを猛々しく膨らませた黒人筋肉男だ。
 「罪のない生徒をAVに出演させるとは、久保丈二、あんたも落ちたものだな。とても先輩とは思えない」
 マッチョマンは続ける。
 「しかもあんたを慕って男になった二人まで。もっともこれには魔術を悪用した結果だと思うけど」
 マッチョマンウィザードはさらに続ける。
 「う・・・」
 いきなり屈強な男に取り囲まれた丈二は慌てて体育倉庫の窓から逃げる。
 「うわああああああああああああ!」

 『野上さん、照山さん、けがはなかった?』
 マッチョマンは二人に言う。
 「ええ、何も・・・」
 『あいつはあなたたちを使ってAV撮影をしようとしていたのよ。あなたたちが黒人マッチョに犯されるていうね』
 マッチョマンウィザードは続けた
 「あたし達はいいんですけど、先輩、いや久保丈二を追わなくていいんですか?」
 『そこは大丈夫よ』
 マッチョマンレディは白い歯を見せながらほほえんだ。

 「ひえええええ」
 競パン姿のまま学園をさまよう丈二
 『はい、そこまでだ』
 スーツ姿の二人の男が丈二の前に来る。一人はグラサンをかけていてもう一人はやや太っていた。
 『夜の沼ノ端は地獄も同然なんでね。獄卒9係の青柳、こいつは矢沢だ。』
 グラサンの男は太めの男をたたく。
 さらに逃げようとする丈二の前に次々と現れるスーツ姿の男女、そして
 『獄卒一課9係・係長の加納倫太郎だ。あんた、いろんな人を陥れておいてそれはないよな』
 丈二の前に加納という獄卒が立ちはだかる。
 はじめは不敵な態度をとっていた丈二だったが、
 加納の背後から現れる人物を見て崩れた
 「か・・・川田・・・許してくれ・・・。女にしたのは俺が悪かった・・・」
 目の前にいる競泳パンツにスイミングキャップ、ゴーグルをつけた人物を目にしていきなり崩れ落ちた。
 「あたしは川田謙佑の妹よ。」
 美緒はキャップとゴーグルを勢いよく外した。
 「あんたは兄に飽き足らず、あたしの友達や水泳部の仲間まで手をかけようとした、許せない!」
 「先輩がそんな人だったなんて、ひどすぎますよ。これはボクたち水泳部に対する重大な裏切りです」
 そこにいたのは競パン姿の杏だった。
 『あんたはすべてを破壊したんだよ。あんたの友人だけじゃない。慕ってくれる後輩も』
 獄卒係長・加納は続ける。
 そう言うと丈二は獄卒に連行されていった。

-数時間後、地獄の入り口

 加納係長と娘婿の浅輪はマッチョマン3人と話していた
 『さすが、獄卒9係・見事な連係プレイだったわ』
 マッチョマンレディが言う
 『あなた方3人のおかげだよ。恩に着ますよ。』
 浅輪が続ける。
 『それにしても、変身するのはテレビの中だけにしたかった』
 そう超ムキムキマッチョマンは続ける。
 『あたしも、こんな姿は沙夜子には見せられないわね。』
 マッチョマンウィザードがぼやく
 『案外、わかってるかもしれませんよ』
 加納係長はさらに続けた。


-かくして、AV出演強要となっていた久保丈二は沼ノ端高校を退学となっただけでなく、
地獄の獄卒からきついお裁きを受けたそうである。
 水泳部に関してはむしろ被害者と言うことで代わりのキャプテンを用意することとなったが、
そのキャプテンの方針で水泳部には人数ごとでチーム別に分かれたという
 その一つのチームのリーダーに杏がなったのだが・・・
 「ねえ、リーダーの木之下くんって本当にいいわね。女の子みたいな美形なのにムキムキであそこも大きくて、
しかもあたしと同じ元女の子ってのが・・・」
 「はあ、あんたなんかに木之下先輩をわたすものですか!」
 綺羅と美佐は今度は杏を巡って言い争うようになってしまった。
 「やっぱりなあ・・・」
 元女子の男子水泳部員を引っ張るリーダーの杏はいくらか不安を覚えるのであった。