読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

風祭文庫・頂き物の館

風祭文庫の頂き物なども納める書庫です

頂き物・第9話「コルタンの守護者」


 今や日常生活に欠かせないツールとなっているスマートフォン、パソコン、テレビ
それらの液晶画面にはコルタンという鉱石が使われていることをご存じであろうか。
そして、それが産生できる場所は限られていることに。


 沼ノ端市にあるとある中学校。
 「失礼します」
 一人の女生徒が生徒指導室に呼び出された。
 彼女の名前は瀬長佑里奈。
 成績は可もなく不可もなく、部活動のテニスにもいそしんでいるごく普通の中学生であったが、
彼女にはとある理由から生徒指導室に呼び出されてしまった。
 彼女は中学校に入ってからスマホを買ってもらったのだが、そこから彼女がスマホなしでは生活できなくなってしまうほどであった。
学校の友達ともLINEなどのSNSを常に使っていて、家に帰れば常にスマホを使っており、そのようなトラブルに巻き込まれてこなかったのが
幸いと言うほどであった。
 そして、授業中に携帯をならしてしまうことはおろか、つまらない授業中にはこっそりスマホを使用していて没収されていることが多かった。
そんな彼女もついに生徒指導部に呼び出されることとなってしまった。
 教師は佑里奈に言う。
 「まったく、お前は何回スマホばかり…お前のご両親も非常に心配されていたぞ」
 教師は怒る。
 「だって、スマホがなかったら、連絡も取れないし」
 佑里奈はいいわけを繰り返す
 「ところで、お前、スマホの画面って何でできているか知ってるのか?」
 「知りません!」
 佑里奈は大声を出してしまう。
 「コルタンという石でできている」
 「はあ、何それ?」
 佑里奈はさらに反抗的な態度を取ってしまう。
 「そうか…ならばそれを見るといい!」
 そういうと教師は生徒指導室の怪しげな扉を開けた。
 そこにはなにやら呪術に使うような魔方陣や怪しい仮面などがあった。
 「これからお前には画面の原料がある地域に行ってもらう!」
 そういうと教師は魔法陣の真ん中に移動し、怪しい呪文を唱え始めた。
 「…な、なに…」
 辺り一面は怪しい霧に包まれた。そして、その霧は佑里奈の体に覆い被さった。
 すると…佑里奈の服は破れ、体は大きくそして黒くなっていった。全身を筋肉が覆い、
 ペニスや金玉が飛び出した。そして髪の毛は抜け落ちた。
 「何するのよ…!」
 佑里奈はすっかり低くなった声で叫ぶが
 「お前は今からディンカ族の屈強な男になった。お前は今からアフリカの奥地に向かってもらう!」
 そういうと教師は怪しげな扉を開き、ジャングルの景色が見えたところに佑里奈をほおりこんだ。

 「ここは…」
 ジャングルに住むディンカ族の一部の村。
 彼女は今日からディンカ族となった。
 ディンカ族となった佑里奈は毎日格闘や狩猟採集に明け暮れ、いつの間にか部族で一番屈強な男となった。
 そこに、族長が言う
 「今からわしらの宝がある洞窟に案内しよう」
 佑里奈はそう言うと族長について行った。
 その洞窟の最深部…なにやら光り輝く石が置かれていた。
 「これはコルタンという石でな、日本でも人気のある石なんだ」
 コルタン…どこかで聴いたことがある名前だ…
 「お前に、この宝を守る役目を与えよう」
 こうして、”コルタンの守護者”となった佑里奈は他の部族やゲリラなどからコルタンを屈強な肉体を生かして
守っていた。
 だがある日、突然の地響きとともに洞窟の天井が崩れ始めた。
 「くっ・・・」
 なんとか天井を押さえて守ろうとするが、
 次々と崩れ落ちる天井には勝てなかったようだ。

 数時間後…
 「ここは…あの洞窟…?」
 ”コルタンの守護者”は、目の前に光り輝く石”コルタン”が無数にあることに気がつく。
 「気がついた?」
 そう言ったのは、一人の女性だった。なにやら血に染まった白衣を着ているようだ
 「あなたは?」
 女性が問いかける
 「あたしは…”コルタンの守護者”コルタン…思い出した、あのスマホの画面の材料になっている」
 佑里奈は言った。
 「まずはパンツでもはきなさい。話はそれからよ」
 女性は佑里奈に紫色のビキニパンツを手渡した。
 「十分似合うじゃない。」
 女性は続ける。
 「あたしは瀬長佑里奈。生徒指導部の教師に呼び出されて、それでこんな姿に。」
 女性は言う。
 「あたしの名前は榊マリコ。地獄の科学捜査研究所の研究主任よ。」
 マリコは答えた。
 「ここ、地獄ってことは、あたし、もしかして死んだの?」
 佑里奈は答える。
 「いいえ、厳密に言うと、地上の洞窟とこの冥土がつながって、そこにたまたまあなたが落ちてきただけ
いろいろと理がおかしくなっているみたいで、いろいろなところで地上と冥土がつながっているようなの。」
 マリコは続ける。
 「ここ、沼ノ端ともつながってるの?」
 「ええ。もちろん。」
 マリコは答える。
 「ここは地上とはいろいろと逆転しているから、地上では貴重とされているコルタンも、ここにはたくさんあるの。」
 「みて、アレを…」
 そこには人型のコルタンがいくつか存在していた。
 「あなたをこんな姿にした生徒指導の教師は、何でも多くの女性を誘拐しては部族の男に変えるビジネスを始めていてね。
 あなた以外にもいろいろと犠牲者がいたのよ。」
 冥土にある別の施設では、ビキニパンツをはいた黒人筋肉男が何人もいるという。
 「このコルタンは研究にとっても貴重なの。あなたには一回女の子に戻って沼ノ端に帰るといいわ。」
 マリコはそう言うと怪しげな液体を佑里奈に渡した。
 
 沼ノ端に帰ってからというもの、突然失踪した女子中学生が帰ってきたことで騒ぎになったのだが…
 佑里奈としてはコルタンという貴重な石で液晶画面ができているとわかってから、
 スマートフォンを乱用しなくなっていったという。

 しかし…
 「あんた、そんな姿で歩いてどうするの!」
 母親が祐理亡い言う
 「いいじゃない。この姿の方が悪い男に出会うわけじゃないし。」
 男の快感も知ってしまった佑里奈は時々黒人筋肉男の姿になり、ビキニパンツ1枚で出歩くようになってしまった。

 「我はコルタンの守護者!」
 佑里奈は街の中でポージングをしている。